シチリア州
サブチーナ社
ネロ・ダヴォラ
ドゥチェンツィオ
ネロ・ダヴォラ IGT(シチリア)
2004
イタリアのワインはトスカーナのキアンティやピエモンテのバローロ、バルバレスコが牽引力になって世界に広まり、今やフランスを凌ぐほど人気が高くなりましたが、それにつれて注目され新たな光を浴び始めているのが南のワインです。
中でもシチリアは元来、ギリシア由来の葡萄品種がヨーロッパ大陸に上陸した最初の島ですから、ワインの歴史から見ても重要であるばかりでなく、魅力的な葡萄、ワインが数多くあります。
シチリアの赤ワインの代表としてはまずネロ・ダヴォラでしょう。
ギリシア人が紀元前7,8世紀にシラクーサやジェーラ、アグリジェントなどに植民地を築いた頃、シラクーサの南にあるアヴォラに上陸したギリシア人が持ち込んだと言われている葡萄がネロ・ダヴォラ種です。別名をカラブレーゼ種とも呼ばれ、ラグーサ周辺ではチェラスオーロ・ディ・ヴィットリアという特産ワインがカラブレーゼ種とフラッパート種を合わせて造られています。
ネロ・ダヴォラ種は非常に力強い骨格のある赤ワインになりますが、ともすると野性味が勝ってあまりエレガントな仕上がりは望めませんでした。しかし、シチリアらしい個性を求める人たちにはとても人気が高い葡萄です。
シラクーサの海
近年、シチリアワインの成長は目覚しく、トスカーナやピエモンテ、あるいはボルドーなどの洗練された醸造技術を学び、元来、葡萄の生育に恵まれた太陽と大地の環境があいまって、素晴らしいワインが次々と誕生しています。
手前に葡萄畑が広がるシチリアの大地。アグリジェント近郊。
私どもが昨年から輸入を始めたサブチーナ社はシチリアの中心に位置するエンナの南西にあるカルタニセッタの生産者です。
主にドイツやアメリカの市場にターゲットを置いたグローバルな造り方で、ネロ・ダヴォラやシラー、白のインゾリアなどをエレガントに仕上げています。周辺は中世から石灰と硫黄採掘の鉱業が発展した標高600m~700mの大地で、市の北側にはワイナリーの名前にもなっているサブチーナ山(標高706m)があります。そのため昼と夜との気温の差が大きく、葡萄は凝縮感に富んだものに成長します。
今回テイスティングしたDucenzio(ドゥチェンツィオ)は2004年のヴィンテージでネロ・ダヴォラ100%で造られています。ステンレスのタンクで発酵と熟成を行い、葡萄そのものの持ち味を活かした素直な作りです。
濃厚なルビー色でグラスに注いだ直後ではかすかにミントの香りが立ちますが、時が立つにつれてカシスや桑の実などを想像させます。イチジクのジャムなどの風味もあります。
このワインに合わせる料理としては、荒引きソーセージのグリル、黒豚や羊のロースト、また豚肉をトマトやピーマン、茄子などと煮込んだものがよく合うでしょう。煮込む時には、このワインを入れると料理もいっそう美味しくなりワインとの調和もより増します。
飲む時の温度は15度から18度ぐらいがちょうど良いと思いますが、夏にはやや冷やして飲むのもいいでしょう。ワイン・バーなどでのハウス・ワインやご家庭での日常的に楽しめるワインとしてお薦めできます。 gino
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