こんにちは、カフェ・ジーノ田園調布のgino(ジーノ)です。今日から、私が創ったコーヒーやイタリアワインについて、テイスティングして感じたことを、ノート風に書いていこうと思います。
今日はトレンティーノを代表する赤ワイン、テロルデゴをご紹介しましょう。
私が最初に輸入したワインのひとつがこのエンドリッツィ社のワインで、なかでもテロルデゴにまず惹かれました。
テロルデゴは正式にはテルデゴ・ロタリアーノという名前で、北イタリアの東より、トレンティーノ・アルトアーディジェという州のD.O.C指定の黒葡萄です。歴史的にはあのロミオとジュリエットの物語の舞台になったヴェローナ周辺で造られていた葡萄と同種で、ヴェローナあたりではテロルディコと呼ばれているそうですが、生産量としてトレンティーノがはるかに多く、この州の赤ワインと言えばテロルデゴです。
私が初めてエンドリッツィのテロルデゴを飲んだのは2001年産のもので、第一印象はとてもチャーミングなワインだなぁと思いました。やや紫がかった濃いルビー色で、香りはスミレやリラの花を思わせるような可憐な、そして数種のベリーの香りたっぷりのエレガントなものです。味わいはすっきりとして香りのイメージほどに甘すぎず、むしろ辛口、爽やかかつ柔らかな酸味、そして喉を通り抜けるときにかすかにビターな余韻を感じます。
エンドリッツィ社の葡萄棚(テロルデゴ・ロタリアーノ)
今日テイスティングしましたのは、2002年で、この年はイタリア中で雨が多く、気温も上がらずワイン生産者を悩ませた年でした。ところが、エンドリッツィのテロルデゴにはそんな不利な条件はまったく感じません。出来てから3年あまり、充分に熟成されたせいか、香りには2001年とは違ったニュアンスがあります。2001年を飲んだときには女性的なエレガントさを感じましたが、熟成が進むとむしろ男性的な渋みのあるワインになり、香りもずっと奥深いものになっています。
これはなかなかおもしろい発見だと思うのですが、実は昨年、イタリアの新酒を祝うお祭り、『ノヴェッロを楽しむ会』を開いたときにこのテロルデゴのノヴェッロをテイスティングしたのですが、そちらはやはり2001年に飲んだときのような、エレガントで花のような香りと軽やかな飲み心地が合って参加者のなかで一番人気でした。つまりこのワインは熟成が進むと女性から男性に変化するような面白さがあるようです。当店にはそのノヴェッロも若干在庫がありますので、この2002年と飲み比べるともっと楽しさが増すでしょう。 gino
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