ヴェネト州
エンドリッツィ社(ボルトロミオル社)
プロセッコ DOC(ヴァルドッビアーデネ)

ヴェネツィアに”ハリーズ・バー”という有名なバーがあります。
アリゴ・チプリアーニさんというリド島やトルチェッロ島、またヴェネツィアの外のアーゾロというところでもホテルを経営している有名人のお父さんのジュゼッペ・チプリアーニさんが、1930年代にアメリカ人の青年、ハリーの出資によって始めた店です。そのエピソードはまたいつかお話することにして、この”ハリーズ・バー”の看板的なカルテルに”ベッリーニ”があります。
ベッリーニというのはヴェネツィアのジョヴァンニとジェンティーレ・ベッリーニという15世紀の偉大な画家の名前なのですが、この画家の描いた絵の夕焼けの色を想わせる上品なピンクのカクテルです。このカクテルをジュゼッペ・チプリアーニが考案したとき、その色合いからベッリーニの絵を思い出して、カクテルの名前にしたそうです。
ハリーズ・バーのベッリーニは、桃の果汁とプロセッコという発泡性の白ワインのカクテルで、桃を絞ったときの色がカクテルの美しいピンク色となり、そして桃とプロセッコの甘い香りがまたこのカクテルをいっそう魅力的なものにしています。
さて、そのプロセッコという発泡性の白ワインですが、ヴェネト州のヴァルドッビアーデネとコネリアーノという町の間にある細長い地域で作られ、それぞれの地名の原産地呼称が付いています。
葡萄はプロセッコ種というこの地方の固有種です。通常は発泡性の”スプマンテ”あるいは微発泡の”フリッツァンテ”に作られますが、まれに泡の立たない”フェルモ”としても作られます。最近は街中のカフェやバーでも気軽にシャンパンやスプマンテが飲まれ、シャンパン・バーなどもあるようですが、イタリアではローマやフィレンツェ、ミラノでもスプマンテと言ったときにプロセッコが出る場合も少なくありません。ナポリやシチリアのバールでさえも、”プロセッコ”と言えばちゃんと良く冷えたおいしいプロセッコを専用の細長いグラスに注いでくれます。
私共が輸入しているプロセッコはトレンティーノのエンドリッツィ社がヴェネト州、ヴァルドッビアーデネの畑で栽培しているプロセッコ種から造っているもので、優れた醸造技術によりとても魅力的なスプマンテに仕上がっています。
軽やかで肌理の細かい泡立ち、そして何よりも香りが特徴的で、ベッリーニのベースにふさわしく微かに甘い桃の香りや爽やかな青リンゴの香りがあります。
ヴェネト地方では朝から仕事の前にプロセッコを一杯飲むという人も多いのですが、午後のちょっとした休憩やショッピングで歩き疲れたときに、気軽に飲むのにぴったりのカジュアルなワインです。
ご家庭に常時1本、冷蔵庫にキープしておくと3時のおやつに軽いクッキーや焼き栗、ナッツなどと一緒に楽しめます。
もちろん、魚介料理との相性はぴったりで、ヴェネツィアでは食前から食事の最後までプロセッコだけという場合も少なくありません。
私の大先輩であるフォト・ジャーナリストの篠 利幸さんもプロセッコが大好きで、「アサリのスパゲッティを作るときにも白ワインの代わりにプロセッコを入れると一段と美味しくなりますよ。」と、教えてくれました。
季節に合わせて旬の果汁を使ってオリジナルのカクテルを作って楽しむのもいいですね。
もうすぐ、美味しい桃の季節、春がやってきます。 あなたのご自宅の 『ミニ ハリーズ・バー』で、ベッリーニをつくってみては! gino
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